マッキンゼー出身の渡辺さんの「世界一やさしい問題解決の授業」を読みましたので、書評を書きたいと思います。
経営コンサルティング会社で使われている問題解決の手法を素人でもわかりやすく解説した本になります。
経営コンサルの会社で使われている難しい手法を平易な言葉や図、身近な例えでわかりやすく表現されているためすごく理解しやすかったです。
本書で学べる問題解決の手法は経営だけでなく、人生で起こる問題にも適用できます。
下記は本からの抜粋ですが、問題解決能力の大切さを知ることができました。
問題解決能力があれば、自分で主体的に考え、決断し、行動することができます。壁に直面してもすぐにあきらめずに、自分の力で乗り越える。夢や目標を見つけたら、才能と情熱が許す限り、実現する可能性を高めていく。(中略)これは持って生まれた才能ではなく、「癖」なのです。(中略)こうした癖が身に付けば目標を見つけた時に実現できる可能性がグンと高まります。
早速、本書の感想を書いてみたいと思います。
世界一やさしい問題解決の授業 by 渡辺健介 人生の課題にも適用できる問題解決手法
問題解決の流れ
問題を解決するためには下記の流れに従います。
現状の理解→原因の特定→解決策作成→解決策の評価→実行→解決
本書では各ステップで経営コンサルの会社で使われているテクニックがわかりやすく紹介されています。
現状の理解

現状を理解するためには、現状を分解してみると理解しやすくなるとのこと。
例えば、バンドのライブに来るお客さんの数を増やしたいという課題があったとします。
下記のように分解してみると・・・
世の中の人→自分のバンドを知っている人+知らない人
バンドを知っている人→知っていてライブに来る人+知っていてもライブに来ない人
知っていてライブに来る人→1回来てその後来なくなる人+何度も来てくれる人
本当は樹形図のようにツリー状に書いていきますが、このように分解すると、世の中の人を細かく分けることができます。
また、分解することで色々なアプローチを考えることができます。
例えば、自分のバンドを知らない人にはバンドを知ってもらうようにチラシを配ることもできますし、バンドを知っていてもライブに来ない人にはお試しのCDを聞いてもらってバンドへの興味を高めてもらうとか色々アプローチが浮かびます。
何となくバンドに人が来ない・・・と思っている時より色々なファクターに分解することで、このファクターにはこんなアプローチが効くのではないかなと考えることができます。
また、分解することで自分が考えてもいなかったファクターが見つかって、新しいアプローチが思いつくかもしれません。
原因の特定
原因を特定するためには、上記で分解したファクターを具体的に調査します。
バンドを知っている人は何人、バンドを知っているのに来ない人は何人などアンケートを取ってみるのも良いかもしれません。
データをとって原因がどこにあるか分析します。
解決策の作成
ある程度原因が特定できれば解決策を考えることができます。
例えば下記のような解決策を考えることができます。
1.バンドを知らない人に対して、チラシを配ったり、SNSで告知することでバンドを知ってもらう
2.バンドを知っていてもライブに来ない人に対して、自分たちの演奏を録画した動画を見てもらう
などなど。
もっと細かく分解して、深く考えれば色々なアプローチが出てくるかもしれません。
解決策の評価

出した解決策を評価します。
評価する時に大切なことは「実行しやすいか」「効果は大きいか」の2つで考えます。
1、バンドを知らない人にアプローチする方法はSNSでの告知であればお金もかからないし、拡散されれば多くの人に知ってもらえそうなので効果は大きそう。
2.動画の録画については、録画をするのに時間とお金が多少かかるが、動画を見てもらえればファンになってもらえる可能性がある。
このように評価すると、お金がかからず実行しやすく、かつ効果が大きそうなのは1の方法だとわかるので、まずは1から実行すれば大きな効果が見込めそうです。
実行
そして、練り上げた解決策を実際に実行に移します。
実行に移して時には効果を確かめ、策を改善していくことで、解決に近づくことができるというステップです。
まとめ
問題解決のフローは一見すると当たり前のように見えますが、現状の理解や原因の特定などはこんなに深く考えることができるのかと思いました。
普段は無意識で原因を特定して良さそうなアプローチを考えているかと思いますが、深く考えて本当に効果のあるアプローチを出すのもありなのではないかと思いました。(直感で動いて良い結果がでることもありますが。)
人生で迷った時や、走り出した後に効果的に結果を出したい時などいかようにも使えるなと感じました。
また、迷っているだけで時間ばかりが過ぎてしまう時には、問題解決の流れに沿って考えることで、客観的に問題を見ることができると思いました。
繰り返しになりますが、本には図や例えが多用されており、「世界一やさしい」というタイトルに見合ったわかりやすさです。
3時間くらいでさくっと読めるボリュームなので、是非読んでみてください。
コメントを残す